「いっしょにねよ!」
クラスで1番陽キャだったN君から
突然の指名を受けた時は正直ビビった。
小学校5年の時、林間学校に行ったら
「敷布団と毛布は2人で1枚」と告げられ
陰キャの僕は誰も誘うことができずに
1人あぶれていた。そこにN君が現れた。
「オレ、うるさいって言われて
みんなに逃げられちゃってさ。
もうお前しか残っていないんだけど
いい?」と言いつつ目の前に布団を敷く

観念した僕はN君の隣に気をつけで横たわる
それから数時間はN君のおしゃべり攻撃に
眠らせてもらえなかったけど
なぜかそれでも、うれしかった。
そんな彼もいつしか睡魔に完敗してダウン
口を半開きにしたまま僕の方に顔を
向けてるんで、ほんと寝てるの?と
僕もN君に向かい合ってみた。
意外とまつ毛が長かった…

僕は数ミリずつN君との間を狭めていった
N君の吐息がすぐ耳元で聞こえるぐらい
そのうちN君の肩と僕の肩とが触れ合った
でももうそれ以上近づくすべを知らなかった
僕らは時が止まったように身動きせずにいた
ついに思い切ってN君の手に僕の手を重ねた
一瞬だけ握り返してくれたような気がした…
中学生となり、東京から同い年のいとこが
田舎に遊びに来て泊っていった。
蒸し暑い夜でなかなか眠れなかった

それでも寝たふりをしていたら
何か熱いものが僕の唇に降りてきた。
「今のは何?」と聞き返す間もなく
2度、3度と味わった濡れた感触で
東京の子は進んでるなぁと感心した。
そうして僕も、男が好きだと悟った。

でも教えてくれた彼は
とうの昔にこの世からいなくなった。
大学に入り、寮生活を始めたところ
連日のように飲み会が開催され
酔った勢いでМに手を引かれて
彼の自室のベッドに導かれた。

「Мはホモだから気をつけろ」と
言われていたけど
「大丈夫、僕もホモだから」とは
Мにも言わなかった。
最初のきっかけを作ってくれたのは
Мだったけど、僕はいつしかМよりも
スキルと経験を上げていった。


およそ男同士で感じ合えるすべての
ことを4年間で、いろんな学友と
いろんなシチュエーションで学び合えた。
その中にはノンケだった相手も
多かったけど、彼らとて男として
気持ちいいことを求めあうことに対して
一線を越えて僕と寝てくれた友情には
今も感謝しかない。


そしてそこからが
本当の修羅の道の始まりだった。

ある時は、全く見知らぬ誰かと
また恐ろしく不本意な相手とも
高額な報酬まで支払って
一緒に寝た。


それは本能だけがむき出しの獣と化した
妖しく無残で、そのくせ陶酔と厭世観の
入り混じった傷だらけの夜だった。
一緒に寝ていたはずなのに
一睡もできないまま朝を迎えた…
白日が眩しすぎて目を開けられなかった

それから何年も何十年もたったある日
ひとつのささやかなお別れの会があり
僕はその日を境に、心の通い合った朋友と
別れ、独り新天地へ旅立つことになった。
送別会はホテルで行われていたため
皆それぞれ2人1組になりツインルームに
収まった。おずおずとカレに申し出た。

「あのさ、別に変な意味じゃないけど
今日は一緒に寝てくんない?」
「ん?いいですよ。じゃ、こっち来ます?」
僕らは天井を振り仰いで2人並んだ。
そうして少年のようにいつまでも
おしゃべりを交わし合った。
いつまでも2人の距離は変わらぬまま
これでいい、これがいいとお互いに
つかず離れず、2つの数奇な人生を交差した

僕は夢見心地のまま眠りかけていた。
ふと彼の手が僕の手の中に手向けられた。

思わずしばらくの間、握り返し、離した
そしてすべては夢だったのかなと我に返り
そのままいつ覚めるともわからぬ
深く浅い眠りに、また独り落ちていった…


ここから先はどうかあなたの寝物語を…
夢の中でまた出会える日のために…
クラスで1番陽キャだったN君から
突然の指名を受けた時は正直ビビった。
小学校5年の時、林間学校に行ったら
「敷布団と毛布は2人で1枚」と告げられ
陰キャの僕は誰も誘うことができずに
1人あぶれていた。そこにN君が現れた。
「オレ、うるさいって言われて
みんなに逃げられちゃってさ。
もうお前しか残っていないんだけど
いい?」と言いつつ目の前に布団を敷く

観念した僕はN君の隣に気をつけで横たわる
それから数時間はN君のおしゃべり攻撃に
眠らせてもらえなかったけど
なぜかそれでも、うれしかった。
そんな彼もいつしか睡魔に完敗してダウン
口を半開きにしたまま僕の方に顔を
向けてるんで、ほんと寝てるの?と
僕もN君に向かい合ってみた。
意外とまつ毛が長かった…

僕は数ミリずつN君との間を狭めていった
N君の吐息がすぐ耳元で聞こえるぐらい
そのうちN君の肩と僕の肩とが触れ合った
でももうそれ以上近づくすべを知らなかった
僕らは時が止まったように身動きせずにいた
ついに思い切ってN君の手に僕の手を重ねた
一瞬だけ握り返してくれたような気がした…
中学生となり、東京から同い年のいとこが
田舎に遊びに来て泊っていった。
蒸し暑い夜でなかなか眠れなかった

それでも寝たふりをしていたら
何か熱いものが僕の唇に降りてきた。
「今のは何?」と聞き返す間もなく
2度、3度と味わった濡れた感触で
東京の子は進んでるなぁと感心した。
そうして僕も、男が好きだと悟った。

でも教えてくれた彼は
とうの昔にこの世からいなくなった。
大学に入り、寮生活を始めたところ
連日のように飲み会が開催され
酔った勢いでМに手を引かれて
彼の自室のベッドに導かれた。

「Мはホモだから気をつけろ」と
言われていたけど
「大丈夫、僕もホモだから」とは
Мにも言わなかった。
最初のきっかけを作ってくれたのは
Мだったけど、僕はいつしかМよりも
スキルと経験を上げていった。


およそ男同士で感じ合えるすべての
ことを4年間で、いろんな学友と
いろんなシチュエーションで学び合えた。
その中にはノンケだった相手も
多かったけど、彼らとて男として
気持ちいいことを求めあうことに対して
一線を越えて僕と寝てくれた友情には
今も感謝しかない。


そしてそこからが
本当の修羅の道の始まりだった。

ある時は、全く見知らぬ誰かと
また恐ろしく不本意な相手とも
高額な報酬まで支払って
一緒に寝た。


それは本能だけがむき出しの獣と化した
妖しく無残で、そのくせ陶酔と厭世観の
入り混じった傷だらけの夜だった。
一緒に寝ていたはずなのに
一睡もできないまま朝を迎えた…
白日が眩しすぎて目を開けられなかった

それから何年も何十年もたったある日
ひとつのささやかなお別れの会があり
僕はその日を境に、心の通い合った朋友と
別れ、独り新天地へ旅立つことになった。
送別会はホテルで行われていたため
皆それぞれ2人1組になりツインルームに
収まった。おずおずとカレに申し出た。

「あのさ、別に変な意味じゃないけど
今日は一緒に寝てくんない?」
「ん?いいですよ。じゃ、こっち来ます?」
僕らは天井を振り仰いで2人並んだ。
そうして少年のようにいつまでも
おしゃべりを交わし合った。
いつまでも2人の距離は変わらぬまま
これでいい、これがいいとお互いに
つかず離れず、2つの数奇な人生を交差した

僕は夢見心地のまま眠りかけていた。
ふと彼の手が僕の手の中に手向けられた。

思わずしばらくの間、握り返し、離した
そしてすべては夢だったのかなと我に返り
そのままいつ覚めるともわからぬ
深く浅い眠りに、また独り落ちていった…


ここから先はどうかあなたの寝物語を…
夢の中でまた出会える日のために…

































































































































