以前ゲイのN君からこんなこぼれ話を
聞いたことがある。
「中学生の時に親友の寝込みを襲って
パンツ下ろしてフ●〇してたら
いきなり起きてきた親友に
『気持ちわりーよ!』と怒鳴られて
顔面蹴られた…」

そりゃ怒られるだろうな
まだ中学生なんだし
受けとめきれないだろうなぁと
N君よりも親友の身を案じてしまったけど
自分にもこれと同じような失敗談が
山ほどあったことを思い出して
N君の気の毒さが身にこたえた。

そう言えば自分にも中学の時に
親友の寝込みを襲ったことがある。
キャンプの夜だ
その時はまだウブな少年だったから
N君のようにいきなりパンツ下ろして
「大本命」には行かなかったけど
親友のあどけない寝顔を見ているうちに
ついゴクンと唾を飲みこんで
彼が熟睡しているのを確かめながら
おそるおそる彼の唇に近づいていった…

いったんファーストキスをしてしまうと
もうそこからは水呑み鳥のように
何度も何度も唇を奪った
その度に心臓の鼓動が大きくなった

けれどもやがて圧力が大きくなりすぎたのか
彼が自分をはねのけて飛び起きた
明らかにその瞳には
驚きと、怒りと
失望と、憐みが宿っていた

「何…してたの?」
僕には到底答えられなかった。
もう彼とは友達でさえいられない
そのまま外へと走って逃げた
まだ夜中だった

暗かった 寒かった
それでいて、どこか熱っぽかった
怖かった さびしかった
そのくせ、どこか孤独な自分に酔っていた
僕は自分の道に迷い続け
もうどこかへ行ってしまおうと
ただただ途方もなく歩き通した
もしかしたら彼が僕を心配して
追いかけてくるんじゃないかと
微かに期待もしていたけど
そんな奇跡は起こりうるはずもなかった。

やがて暗闇は白々としてきて
夜が明けて来る気配はあったが
その日いったいどこにたどり着いたのだろうか。
そんな道を僕は今も
歩き続けているのかも知れない。

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聞いたことがある。
「中学生の時に親友の寝込みを襲って
パンツ下ろしてフ●〇してたら
いきなり起きてきた親友に
『気持ちわりーよ!』と怒鳴られて
顔面蹴られた…」

そりゃ怒られるだろうな
まだ中学生なんだし
受けとめきれないだろうなぁと
N君よりも親友の身を案じてしまったけど
自分にもこれと同じような失敗談が
山ほどあったことを思い出して
N君の気の毒さが身にこたえた。

そう言えば自分にも中学の時に
親友の寝込みを襲ったことがある。
キャンプの夜だ
その時はまだウブな少年だったから
N君のようにいきなりパンツ下ろして
「大本命」には行かなかったけど
親友のあどけない寝顔を見ているうちに
ついゴクンと唾を飲みこんで
彼が熟睡しているのを確かめながら
おそるおそる彼の唇に近づいていった…

いったんファーストキスをしてしまうと
もうそこからは水呑み鳥のように
何度も何度も唇を奪った
その度に心臓の鼓動が大きくなった

けれどもやがて圧力が大きくなりすぎたのか
彼が自分をはねのけて飛び起きた
明らかにその瞳には
驚きと、怒りと
失望と、憐みが宿っていた

「何…してたの?」
僕には到底答えられなかった。
もう彼とは友達でさえいられない
そのまま外へと走って逃げた
まだ夜中だった

暗かった 寒かった
それでいて、どこか熱っぽかった
怖かった さびしかった
そのくせ、どこか孤独な自分に酔っていた
僕は自分の道に迷い続け
もうどこかへ行ってしまおうと
ただただ途方もなく歩き通した
もしかしたら彼が僕を心配して
追いかけてくるんじゃないかと
微かに期待もしていたけど
そんな奇跡は起こりうるはずもなかった。

やがて暗闇は白々としてきて
夜が明けて来る気配はあったが
その日いったいどこにたどり着いたのだろうか。
そんな道を僕は今も
歩き続けているのかも知れない。

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