時すでに芸術の秋ですね。
今宵は2020東京パラリンピック開会式に、
義足のバレエダンサーとして登場した
大前光市さんのことを以前記事にしていたので
改めて復刻して紹介したいと思います。
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1979年9月27日、岐阜県下呂市に生まれる。
五人兄弟の大家族で、
家の暮らし向きは決して楽ではなかった。
自宅にはいまだにダイヤル式固定電話が残っていた。

15歳の頃から舞台芸術に関心をもち、
高校生でいち早く舞台デビュー
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その後大阪芸術大学へ進学、
バレエダンサーとして堀内充氏に師事し、
自身のソロや振付作品も創作し始める。
ここまで順風満帆の人生だった。
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ところが2003年24歳の時、
憧れの舞踊団の最終選考を明後日に控えた
雨の夜の天王寺動物園前で、
突如現れた泥酔運転の車に轢かれ、
将来の夢を根こそぎ絶たれた。
彼の左足は永遠に天に召されたのである。
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その後の10年間の歩みについて、
ここに語るのもあまりに凄絶すぎる。
体も心も痛みでぼろぼろになり、
ダンスで生きる道を断たれ、涙涸れるまで泣き続け、
ダンスではない日雇いの仕事もクビになり、
まるで自分は粗大ゴミとしか思えなかったそうだ。
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けれども、彼には最後の希望の光として、
やっぱりダンスが残った。
2021年東京パラリンピックで力強く立ち上がる
17年の歳月を鍛え抜いた男の姿があった。
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大前は伝える。
「涙をすべて流し尽くした後に、
   オレの感情として残ったものは、怒りだった。
 オレの生き方で戦って、負け組だったとしても
    ポジティヴに生き抜くことで、
 オレのことをかわいそうだとしか
    思えないヤツを納得させたい。」
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彼は今や世界で唯一の義足のバレエダンサーとして
これからも、あらゆる人々の絶望を希望に変えながら、
自らも生を燃やし続けていく…
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ぶざまでなんかじゃない、
あなたの振る舞い、生き方がかっこいい。
そう、生まれ変わった白鳥のように…

人生という織物は
善と悪とが混ぜ合わさった糸で織られている
      ウィリアム・シェイクスピア
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もう一人の稀有なバレエダンサーと言えばこの方

同じくパラリンピック閉会式で登場した
不撓不屈のバイオリニスト、
式町水晶さんはこちら