こんばんはー。今夜もよろしくです。
さて前回の「こころ」の続編としまして
「私と先生」の仲を運命的に引き裂く形で
展開する第二章について書いてみたいと思います。
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前回お話しましたように
私と先生は全くの偶然の出会いから
互いに相手を意識下に置き始めるのですが
どちらかというと年の若い私の方が一方的に
先生への憧れと思慕をつのらせていくのに対し
先生は自己の罪悪感と厭世観のために
素直に私の好意を受け入れることができないのです。
しかし先生はこの男なら自分の思いを
託せるかも知れぬと淡い望みを賭け
いくばくかの思想と行動を共有し
いつしか愛着を私に感じてくれるようになります。
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そんな近づきつつある二人に突然の別れが
訪れるのです。
私の父の病状が悪化し、私は東京を離れ
遠い郷里に帰らなければならなくなるのです。
そしてまさかその帰省が
先生との永遠の別れになってしまうとは思わずに…
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いつしか死に向かう私の父と、先生の面影が
私のこころの中で交錯していきます。
そして父がまさに臨終を迎えようというその時に
運命のいたずらか、私があんなに心待ちにしていた
先生からの手紙が届くのです。
「こころ」先生の遺書(昭則絶筆)
「この手紙があなたの手に落ちる頃には
 私はもうこの世にいないでしょう…」
それは間違いなく私だけに宛てた
先生の最期の手紙、遺書だったのです。
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読み終えた私は、事の顛末に茫然自失となりますが
やがて、まもなく死出の出立を迎える父に
「どうか私の戻るまで待っていてください。」と告げ
郷里の父に踵を返し、先生の元へ舞い戻るため
夜行列車に飛び乗ります。
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車窓の暗闇に浮かぶ私のこころの中で、
今、先生の命と、父の命の二つの灯が
サイレンのようにけたたましく明滅し始め、
やがて消えゆく二つの巨星を追いかけるかのように
夜行列車は私をいざない、ひた走るのでした…
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この記事を書いていた6年前のその日
奇しくも僕の父も危篤となりました。
父の命と引きかえに残したこの原稿を
今ここに謹んで復刻したいと思います。

続きはこちら…いよいよ最終回です。