今日、僕は半年ぶりに
N君と会えるはずだった。
でも、その約束を破ってしまった。
拠り所ない事情で、いや、自分勝手な都合で。
東京には戒厳令が敷かれ
弱虫な僕はそこに近づくことさえできない。
愛があれば、乗り越えられるかも知れなかったが
それと引き換えに、自分のちっぽけな人生を
賭けなければならなかった僕は、
盲目的な愛と欲望に走るよりも
目の前のささやかな平和を選んでしまった。

そのぎりぎりの選択に、もう引き戻す余地は
なかったけれど、
僕はもう二度とN君とは会えなくなることを
心の片隅で直感していた。
「久しぶりだね、元気だった?」
「春休みの旅行の写真見たよ。楽しかった?」
「遅ればせながら、誕生日おめでとう!
はい、パンツのプレゼント…」
会った時のための会話を何度も何度も
顔を真っ赤にして予行練習してたのに
もうその声も届かないし
聞いてももらえない。
「ありがとう」も「さようなら」も
「君と会えて、幸せだったよ」
「またいつか会おうね!」も
言えないまま、僕たちはこの関係を
卒業してしまう。

このウイルスは、どれだけ世界の
人と人のつながりを引き裂いたことだろう?
そしてそれぞれの時間を、場所を、笑顔を、
癒しを、愛を奪ってしまったことだろう?
僕らはこの惨事に試されていた。
何が大事で、何を捨てなければならないのか。
誰だって、自分が生き延びるための三度の飯は
捨てられないだろう。
かと言って、それ以外のお茶や晩酌といった
憩いをすべて切り捨てた末に、
人の生きる楽しみは残るのだろうか?
僕にとって、君と過ごす束の間の時間は
僕を心地よく酔わせてくれる美酒のように
かけがえのない「日常」の一つだった…

結果的に僕は、自身に関連した周囲を守るために
君を捨てた、酒を断った、そして自分を欺いた
その後味の悪さが、今食う飯をさらに不味くし
僕はもう夢も現実も両方、出口のないトンネルを
走り続けている。
誰もが夢を失くしかけているこの時に
皆の悔しさに声を合わせ、僕も叫びたい
もうそうすることしか他に何も…
あとはとめどなく泣くことしかできないから…

もう一度、君と見つめ合いたかった
もう一度、君と抱き合いたかった
もう一度、君とキスしたかった
もう一度、君と一つになりたかった…
願わくは も一度君と めぐり逢わん
桜舞い散る その木の下で

N君と会えるはずだった。
でも、その約束を破ってしまった。
拠り所ない事情で、いや、自分勝手な都合で。
東京には戒厳令が敷かれ
弱虫な僕はそこに近づくことさえできない。
愛があれば、乗り越えられるかも知れなかったが
それと引き換えに、自分のちっぽけな人生を
賭けなければならなかった僕は、
盲目的な愛と欲望に走るよりも
目の前のささやかな平和を選んでしまった。

そのぎりぎりの選択に、もう引き戻す余地は
なかったけれど、
僕はもう二度とN君とは会えなくなることを
心の片隅で直感していた。
「久しぶりだね、元気だった?」
「春休みの旅行の写真見たよ。楽しかった?」
「遅ればせながら、誕生日おめでとう!
はい、パンツのプレゼント…」
会った時のための会話を何度も何度も
顔を真っ赤にして予行練習してたのに
もうその声も届かないし
聞いてももらえない。
「ありがとう」も「さようなら」も
「君と会えて、幸せだったよ」
「またいつか会おうね!」も
言えないまま、僕たちはこの関係を
卒業してしまう。

このウイルスは、どれだけ世界の
人と人のつながりを引き裂いたことだろう?
そしてそれぞれの時間を、場所を、笑顔を、
癒しを、愛を奪ってしまったことだろう?
僕らはこの惨事に試されていた。
何が大事で、何を捨てなければならないのか。
誰だって、自分が生き延びるための三度の飯は
捨てられないだろう。
かと言って、それ以外のお茶や晩酌といった
憩いをすべて切り捨てた末に、
人の生きる楽しみは残るのだろうか?
僕にとって、君と過ごす束の間の時間は
僕を心地よく酔わせてくれる美酒のように
かけがえのない「日常」の一つだった…

結果的に僕は、自身に関連した周囲を守るために
君を捨てた、酒を断った、そして自分を欺いた
その後味の悪さが、今食う飯をさらに不味くし
僕はもう夢も現実も両方、出口のないトンネルを
走り続けている。
誰もが夢を失くしかけているこの時に
皆の悔しさに声を合わせ、僕も叫びたい
もうそうすることしか他に何も…
あとはとめどなく泣くことしかできないから…

もう一度、君と見つめ合いたかった
もう一度、君と抱き合いたかった
もう一度、君とキスしたかった
もう一度、君と一つになりたかった…
願わくは も一度君と めぐり逢わん
桜舞い散る その木の下で

コメント